資金計画について

(1) 家づくりの総予算を知る。


家づくりには、土地代と本体工事費以外にも様々な諸費用が必要になります。一般的にそれらの諸費用は本体工事費の2~4割と言われています。なお、通常「坪単価○○万円」と表現される範囲は下表の「本体工事費」です。極端に坪単価を安く宣伝している業者の場合は、下表の「建築工事費」だけを表している場合もあります。


区分

項目

内容

備考

本体工事費

建築工事費

仮設工事・基礎工事・木工事・屋根工事・金属工事・防水工事・建具ガラス工事・左官タイル工事・塗装工事・内装工事・雑工事

外構工事費

舗装工事・排水工事・植栽工事

設備工事費

電気設備工事・給排水衛生設備工事・ガス設備工事・換気設備設備工事・火災報知設備工事・床暖房工事・浄化槽工事

諸経費

諸経費・保険料・瑕疵担保履行保証料

別途工事費

解体処分費

 

木造の場合3~5万円/坪

地盤改良費

 

50~100万円(内容により大きく変動する)

電話・LAN工事

 

 

給排水引き込み工事

 

 

カーテン工事

 

 

照明器具代

 

 

冷暖房器具代

 

 

家具・家電費

 

 

工事に関する
諸経費

設計・監理料

 

本体工事費の7~10%(規模による)

確認申請・検査手数料

 

5~10万(計画規模等により異なる)

敷地測量

 

5万円前後

地盤調査費

 

5~10万円(箇所数や方式により異なる)

地盤保証料(任意)

 

約3万円

工事完成保証料(任意)

 

5~10万円(保証内容により異なる)

水道加入金

 

約10万円(自治体により異なる)

地鎮祭祭典費用

神主さんへのお礼・茶菓子

1~2万円

上棟式(任意)

職人へのご祝儀・食事台

10~15万

税金

消費税

 

5%

登録免許税

土地所有権移転登記

不動産評価額の0.3~1.5%

建物所有権保存登記

不動産価格の0.15~0.4%

抵当権設定登記

ローン金額の0.1~0.4%

印紙税

設計・監理契約印紙代

400円

工事請負契約印紙代

1千万~5千万:2万円/5千万超:6万円

金銭消費貸借契約書印紙代

1千万~5千万:2万円/5千万超:6万円

不動産取得税

 

課税標準額×3%(軽減処置あり)

固定資産税

 

評価額×1.4%(軽減処置あり)

都市計画税

 

評価額×0.3%(軽減処置あり)

その他経費

つなぎ融資利息

 

 

ローン融資手数料

 

 

ローン保証料

 

 

団体信用生命保険特約料

 

 

火災保険

 

 

地震保険(任意)

 

 

適合証明検査手数料

 

 

引越し費用

 

 

仮住まい家賃

 

 

司法書士報酬

 

 

土地取得

土地取得費

 

手付金は10%

土地仲介手数料

 

土地代×3%+6万+消費税

消費税

 

0円(土地に消費税はかかりません)



(2) お金のスケジュールを知る。


注文住宅を建てるには、1年~2年の長い時間がかかります。その間に様々なタイミングで出費が必要になります。以下の図は、そのお金のスケジュールを示しています。ここで注意したいのは、住宅ローンの融資が実行されるのは、建物が完成した後だということです。従って、それまでに必要な資金に対しては、つなぎ融資を組むなどの方法が必要となります。なお、近年住宅ローンの定番となったフラット35の場合、金融機関によってはつなぎ融資をしていない場合があるので、注意が必要です。つなぎ融資を使わない方法として、「すまいとMoney Plan」というシステムも存在します。なお、土地を先に購入する場合、土地取得から2年以内に建物が完成していないと住宅ローン減税が受けられないといったことにも注意が必要です。


すまいづくりのお金の流れ


(3) 減税・節税を知る


住宅の建設に関しては、さまざまな減税・節税のメニューが整備されています。家に関する税金は、決して小さな金額ではありません。しっかり計画・対策を建てることが必要です。


① 住宅ローン減税

住宅ローンを借りて家を買うと、税金が帰ってくる制度です。平成21年からの住宅ローン減税は、控除期間は10年間で、最大控除額は一般住宅で500万円、長期優良住宅(200年住宅)は600万円となり過去最大の減税です。また、これまでは国税の所得税だけが減税対象でしたが、新たに地方税の個人住民税も減税対象になりました。住宅ローン減税による控除額のうち所得税から控除しきれない額は、住民税からも控除されるため、多くの人が減税の恩恵にあずかれる制度となっています。適用対象となるのは平成25年までに入居した人ですが、その控除金額は平成21・22年の500万円に対し、23年・24年・25年は、400万円→300万円→200万円と縮小します。


一般の住宅

居住年

ローン残高の上限

控除期間

控除率

最大控除額

2009年

5000万円

10年間

1.00%

500万円

2010年

5000万円

500万円

2011年

4000万円

400万円

2012年

3000万円

300万円

2013年

2000万円

200万円


長期優良住宅

居住年

ローン残高の上限

控除期間

控除率

最大控除額

2009年

5000万円

10年間

1.20%

600万円

2010年

5000万円

1.20%

600万円

2011年

5000万円

1.20%

500万円

2012年

4000万円

1.00%

400万円

2013年

3000万円

1.00%

300万円


② 相続時精算課税制度

家を買う時に、親から援助してもらうと、2500万円まで贈与税がかからないのがこの制度です。 さらに、2009年12月31までに住宅を取得した場合に関しては3500万円まで適用額が拡大されます(申告期限は翌年の3月15日)。 この制度を利用して、住宅ローンの借入金による支払利息を減らせば、総返済額を大幅に減らすことも可能です。 ただし、相続財産が5000万円を超え、相続税がかかる場合はこの限りでありません。


③ 贈与税の軽減

平成21年度の補正予算で、「住宅取得の時限的な贈与税の軽減」というものが新たに導入されました。
これは、平成22 年末までの期間限定なのですが、「直系尊属(父母、祖父母)から、 居住用家屋の取得に充てるために金銭の贈与を受けた場合には、500 万円まで贈与税を課さないこととする。」というものです。 この特例は、相続時精算課税制度と併せて適用することが可能です。


④ 3000万円特別控除

自宅を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得から最高3000万円までの控除ができる特例です。この特例を使うと、「住宅ローン控除」は使えないという点に注意が必要です。ただし、住宅を売却した際の譲渡益に対する税金が、住宅ローン控除を10年間受けた場合の合計金額よりも大きい場合は、3000万特別控除を利用した方が有利です。


⑤ 名義共有・財産分与・持分比率

贈与税や相続税を節税する方法として、共有名義という方法もあります。これは、親に資金援助をしてもらって、その負担割合に応じて共有登記するというものです。この場合は、贈与税はかかりません。また、家屋の評価額は現金よりも圧縮される上に減価してゆくために、相続税対策としても有効です。なお、夫婦間で互いに出資する場合も、その比率に合わせて登記する必要があります。



(4)ローンを知る。


住宅ローンには、さまざまな種類があります。種類や返済方法、その時期によって、総負担額は変わってきます。それらのメリット・デメリットを把握した上で、自分に合ったローンを見つけてください。



① 住宅ローンの種類

公的ローン

フラット35

民間ローン

住宅金融支援機構の融資のほか、財形融資や年金融資などの種類があります。一般的に、利用資格、条件などの制限が比較的厳しく設定されています。例えば、「財形住宅融資」は、会社勤務で勤め先に財形貯蓄制度がある場合、金利などの点で有利だと言われています。その他、各地の自治体にも有利な融資制度が用意されています。

民間ローンと公的ローンがタイアップして誕生した証券化住宅ローン。民間金融機関のローン債権を住宅金融支援機構が買い取り、証券化して投資家に販売するという方式。金融機関のリスクが低いため長期固定・低金利が可能となっています。近年の低金利政策を受けて、「全期間固定型」であるこの方式が、住宅ローンの主流となっています。

銀行や保険会社、ノンバンクなど様々な金融機関で取り扱っている住宅ローンを、民間融資といいます。フラット35が、「全期間固定型」という1つの金利タイプしかないのに対し、金利タイプが「変動型」と「固定期間選択型」の2つも扱っています。公的ローンやフラット35に比べて利用資格・条件が緩い商品も用意されています。


② 金利とは?

固定型

変動型

固定期間選択型

全期間適用金利が変わらない。フラット35などはこのタイプ。適用金利が変わらないため、低金利時に借りれば、将来の金利上昇リスクをヘッジできる。 また、返済額が一定のため、家計管理しやすい。 ただし、金利下降期に借りると、結果的に金利負担が大きくなりトータルの返済額が増える。

年2回、短期プライムレートの変動にあわせて金利が見直され、それに基づいて返済額が再計算される。低金利期や金利下降期には低金利メリットを享受できる。もしも適用金利が上昇を続ければ、それにつれて返済額もアップする。 (金利に上限を決めている商品もある。また途中で固定期間選択型に切り替えられる場合もある)

固定期間終了後、金利状況に応じて、固定金利か変動金利か選ぶ。固定期間終了後、金利状況に応じて、固定金利か変動金利か選べる自由度があるのがメリット。金利上昇が続くと、初めから長期の固定金利にしておいた方が有利な結果になり、金利下降が続くと、初めから変動金利にしておいた方が有利な結果になる。


③ 返済方法は?

元利均等払い

元金均等払い

実際の返済額を、毎月均等に支払う方法。
返済期間中、ずっと返済額はかわらない。 返済当初は金利分ばかり返済するので、元金がなかなか減らない。
最終的には総返済額もやや多くなると言われている。ただし、当初の返済負担を抑えながら計画的に返済できる。

元利均等払い

元金を毎月均等にする方法。実際の支払額は、 元金の減少に伴う金利の減少により、徐々に減ってゆく。 元金が多く残っている支払開始期は、金利分の負担が多い。
元利均等払いに比べ、やや総返済額は少ないといわれる。

元金均等払い

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